やるべきこと
- 寝る前の設定:
ブライトライトMEのタイマーを使って、目覚まし時計の鳴る10分から20分程度前に、ブライトライトMEのスイッチが入るようにします。距離は、最初は顔から50cm~1m以下に設置し、後日、自分に合うように調節します。これは、目覚まし時計の音で不快に目覚めるのではなく、少しでも気持ちよく目覚めるために、起床前から目元を明るくして目が覚めやすくするわけです。これは文献にも紹介されており、健常な人の場合で1,000ルックス迄の光をあてた実験で効果を確認していることが報告されています。
但し、これは健常な人の場合であって、いつも「朝起きれない」方ばかりをサポートしている筆者らの経験や患者からの声を元にすると、1,000ルックスというのは最低レベルだと感じるのが正直なところです。人によっては、5,000ルックス以上の照度でないと効果が出ない方がおられ、その人の状態や感じ方に合わせて調節していくべきでしょう。目元に1,000ルックス以上の光りを当てようとすると、どうしても高照度照明が必要となります。
- 起きたら直ぐに30cmの距離で、数分程度、10,000ルックスの光を直視します。
これが一番重要です。ここで体内時計をリセットして、一日の始まりだと脳に確実にセットします。
- ごく軽い朝食をとる。果物と牛乳程度。
人間には、第2の生体時計といわれる「腹時計」があります。これを同時に動かして頭の時計と同期させ、相乗効果でもって覚醒度を一気に上げます。注意点は、胃に負担をかけて脳の働きを妨げないこと。タンパク質系の食べ物は消化に負担がかかるので集中力を欠く原因となり良くありません。炭水化物も避けましょう。果物は消化済みの食べ物と言われており、胃に負担をかけません。それでもバナナ一本程度の軽さで済ませます。
本来、起きて直ぐに勉強に着手すべきなので、ここに時間をかけてはいけません。起床して、直ぐに食べて、直ぐに勉強に着手します。ポイントは、起床してから勉強開始までの間を最短時間にすることです。
- 間髪入れずに、勉強を開始します。
このとき、ブライトライトをつけたまま(2500ルクス以上、70cm以下)勉強します。このとき、勉強に差し支えない距離にブライトライトを設置して光を浴びて覚醒度を更に上げていきます。自分で十分覚醒していると感じれば、スイッチを切ってもかまいません。
- これまでの作業を毎日、数ヶ月間継続します。
このやり方が比較的早く成功したとしても、気を抜かずに継続します。心身を朝型生活に定着させるためには、長期に渡ってその習慣を維持しなければなりません。前節で「早起きが難しい理由のまとめ」に示したとおり、最初のうちはちょっとしたことでも夜型に戻りやすいのです。数ヶ月間、特に、冬場を一度乗り切ることを経験しないと、堅固な朝型生活、朝型勉強法が定着したとは言えません。
ただ、数ヶ月間といっても、その間に何らかの成果がいくつも表れてきますので、比較的早い時期に継続することが楽しくなります。したがって、数ヶ月間というのは定着期間を意味しているのであって、耐え続ける期間だと誤解しないようにしてください。