光療法の概要
光療法とはどのようなものか、最初に概略を説明いたします。
一言で言えば、高照度照明器具を使って、自然に近い太陽を室内で実現し、その光を浴びることによって、体内時計を規則正しくコントロールして生体リズムを整えた生活活動を行えるようにする、ということです。
特に、高照度照明器具を使わないでも、太陽光を浴びればよいと言う方もおられますが、前節の説明の通り、社会活動の時間規律と太陽の時間帯は合っていません。
たとえば、本州の冬場の日の出は7時ころですが、通学・出勤に時間のかかる方は、日の出よりもはるかに早い時間に起床せざるをえません。部屋に日が差し込まない環境の方の場合は、起床後直ぐに太陽光をあびることは難しいのが実情です。また、女性は紫外線を極端に嫌う傾向が強く、太陽光を浴びるのを朝でも嫌がります。このように、太陽光を浴びて光療法を行うのは、実際には難しい面が多いのです。
その様な理由で、高照度照明器具というツールを使うのは、それほど非難されるようなものではなく、逆に、科学的に理にかなった方法なので、積極的に利用して目的を達成できれば良いと私は考えています。
ここで注意すべき事は、光を浴びると言っても、身体で浴びるのではありません。目から光を取り込み、視神経を通して脳の視交叉上核という部分に信号を送ります。これによって、体内時計がリセットされ、一日の始まりがセットされます。そして、人によって異なりますが、人間はその14から16時間後に自然に眠くなるように出来ています。これが人間の持つ生体リズムなのです。
光を浴びる際には、最低2500ルックス以上の照度の光が必要と言われています。通常の室内の明るさは200ルックス~500ルックなので、高照度照明が必要となると言われる理由が理解できます。起床時に高照度照明を浴びると何が起きるかというと、前述のように体内時計がリセットされ、それから、メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌がが抑制され、体温が上昇して徐々に覚醒の度合いが高まってきます。
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